fpsが出ない原因の切り分け 診断ツリーで特定する2026
この記事の要点 ・fpsが出ない原因は感覚で潰さず、GPU使用率・CPU使用率・フレームタイムの3つの読みから診断ツリーで降りると一発で切り分けられる。 ・GPU95-100%かつCPUに余裕=GPU律速(健全)、CPU90-100%かつGPU70%未満=CPUボトルネック、全体CPUは中程度でも1コアだけ90-100%張り付き=単一スレッド律速が三大パターン。 ・両方とも低使用率なのに低fpsは複合要因。フレーム上限(V-Sync/リミッタ)→電源プラン→温度/クロック→バックグラウンド→ドライバの順で除外する。 ・計測はタスクマネージャよりHWiNFO64・GPU-Z・CapFrameXが正確。個別コア負荷とフレームタイムが見えるツールを使う。
「fpsが出ない」を設定総当たりや買い替えで解決しようとすると時間も費用も浪費しやすいです。本記事は2026年6月時点の公開知見だけを根拠に、編集部が原因を機械的に切り分ける診断ツリーを自作しました。核になるのは、GPU使用率・CPU使用率・フレームタイムという3つの計測値の組み合わせを分岐条件にして、GPU律速・CPUボトルネック・単一スレッド張り付き・電源/サーマル・フレーム上限・バックグラウンド/ドライバへと降りていく構造です。具体的なfps数値はPC構成で変わるため断定せず、見るべき指標と分岐の考え方に絞ります(実測値は順次追加・現状は公開知見に基づく目安)。
fpsが出ないとき、まず何を見れば原因が分かる?
最初に見るのはGPU使用率です。ここが高いか低いかで診断ツリーの大枝が決まります。GPU使用率が95-100%付近なら描画でGPUを使い切れている健全な状態で、それ以上fpsを伸ばすにはGPU側の余地(解像度・画質を下げる、上位GPUへ)を探します。逆にGPU使用率が低いまま頭打ちなら、GPU以外のどこかが足を引っ張っています。次にCPU使用率(全体と個別コア)、最後にフレームタイムの揺れを見れば、原因はほぼ特定できます。
このツリーを上から順に当てるだけで、感覚に頼らず原因を一つに絞れます。以降の各セクションで、分岐ごとの判定条件・確認手順・対処の入口を整理します。
GPU使用率が95-100%なら、これ以上fpsは伸びない?
GPU使用率95-100%かつCPU使用率80%未満はGPU律速(GPUボトルネック)で健全な状態です。ゲームではGPUが主たる制約・CPUにヘッドルームが残るのがバランスの良い理想形とされます。この状態でfpsを上げたいなら、解像度を1440p→1080pに下げる、影やレイトレなどGPU負荷の高い設定を落とす、アップスケーリング(DLSS/FSR)を使う、もしくは上位GPUへ、が正攻法です。つまり「GPUを使い切っている」のは故障ではなく、伸ばす方向が明確になった合図です。
判定の目安は次の通りです。
| 状態 | GPU使用率 | CPU使用率 | 判定 |
|---|---|---|---|
| GPU律速(健全) | 95-100% | 80%未満 | GPUが上限。画質/解像度かGPUで伸ばす |
| CPUボトルネック | 70%未満 | 90-100%(全体) | CPUが上限。後述の分岐へ |
| 単一スレッド張り付き | 70%未満 | 中程度だが1コア90-100% | プライマリスレッド律速 |
| 両方低い | 低い | 低い | 複合要因(電源/上限/常駐等) |
出典: easygamersetups / Valhalla Performance PC / techbenchpro / bottleneckcheck.com / smoothfps。GPUグレードそのものの選び方は重量級PCゲーム向けゲーミングPCの選び方完全ガイドで、GPUとCPUのどちらを優先すべきかはゲームでGPUとCPUどちらが効くかの考え方で整理しています。
GPU使用率が低いのにfpsが出ない、CPUが原因?
GPU使用率70%未満かつCPU使用率(全体)が90-100%なら、典型的なCPUボトルネックです。低fps・スタッター・フレームタイムの不安定が同時に出やすく、特に1080pやAI・物理演算が重いゲームで顕著になります。解像度が低いほどGPUの仕事が減ってCPUの番が回ってくるため、高解像度より低解像度でCPU律速が出やすいのが特徴です。
簡単な確認テストがあります。グラフィック設定をUltra→Mediumに下げてもfpsがほとんど変わらないなら、CPU/プロセッサ律速です。CPUが供給できるfpsの上限で頭打ちになっているため、GPUがどれだけ描けても出力は変わらず、絵の精細さだけが変わります。逆に1440p→1080pや設定を下げて大幅にfpsが伸びるなら、制約はGPU側だったと分かります。公開知見の実例では、Ultra→MediumでCPU18%/GPU70%・約10fps改善のみという報告があり、GPUを使い切っていないのに伸びない=CPU側の頭打ちと判定できます(出典: Tom’s Hardware Forum / build-gaming-computers / easygamersetups)。CPUボトルネックの詳しい潰し方はCPUボトルネックで低fpsになる症状の見分け方と対処にまとめています。
全体CPUは余裕があるのにカクつくのはなぜ?
全体のCPU使用率は中程度(例えば40-60%)でも、単一のコアが90-100%に張り付き、かつGPU使用率が70%未満なら、そのコアがボトルネックです。これは「単一スレッド張り付き(シングルスレッド律速)」と呼べる状態で、全体CPU%だけを見ていると絶対に見抜けません。多くのゲームがエンジンの主要ロジックを単一のプライマリスレッドで処理し、DirectX 11はドローコールを主に単一メインスレッドで捌くため、ドライバオーバーヘッドでCPUがGPUを律速してしまうのが原因です。
見抜くには個別コア(論理プロセッサ)表示が必須です。確認手順は次の通りです。
- タスクマネージャを開く(Ctrl+Shift+Esc)
- 「パフォーマンス」タブ→「CPU」を選択
- 右側のグラフを右クリック→「グラフの変更」→論理プロセッサを選ぶ
- ゲーム中に、1つのコアだけが天井に張り付いていないかを確認
ひとつのコアだけ常時100%なら単一スレッド律速が濃厚です。対処は、CPUのシングルスレッド性能が高い世代への更新、DirectX 12/Vulkan版があればそちらを使う、不要な常駐でコアを奪わせない、などが入口になります(出典: Valhalla Performance PC / bottleneckcalculator.us.com)。ゲーム別の文脈では、Assassin’s Creed Valhallaは1080p High・クアッドコアでも完全にGPU律速になる一方、6コア/6スレッド未満では多重スタッターが出ると報告されており、コア数とスレッドの足りなさがカクつきに直結する好例です(出典: Valhalla Performance PC / OC3D)。
GPUもCPUも使用率が低いのに低fps、どこが悪い?
GPU使用率もCPU使用率も低いのにfpsが伸びない場合は、単一原因ではなく複合要因です。やみくもに触らず、次の順番で上から除外していくのが効率的です。
- フレーム上限を除外: V-Sync・トリプルバッファ・フレームリミッタが意図的にfpsを抑え、結果としてGPU使用率が低く見えていることがあります。まずこれらをオフ/解除して、上限が刺さっていないか確認します。
- 電源プランをHigh Performanceに: 電源プランがバランスだとCPUを絞り、GPUを飢えさせてfpsが落ちることがあります。High Performance(高パフォーマンス)に切り替えて改善するか見ます。
- 温度とクロックをHWiNFO64で確認: 電力上限やサーマルスロットリングでGPU/CPUのクロックが下がると、使用率は低く見えても実効性能が落ちてfpsが下がります。温度とクロックの張り付きを実測で確認します。
- バックグラウンドを止める: アンチウイルス・配信オーバーレイ・録画ソフトがCPUサイクルを食い、CPU→GPUのスループットを瞬間的に落とします。録画/オーバーレイをオフにして変化を見ます。
- ドライバ/APIとRAMを疑う: 不出来な移植・レガシーAPI・過剰なCPU側ドローコールで実効スループットが落ちます。GPUドライバを更新し、遅いRAMは強いCPUでもGPU未使用化を招くため、メモリの速度/デュアルチャネルも確認します。
(出典: smoothfps / Tom’s Hardware)。温度起因が疑わしいときはサーマルスロットリングと熱暴走の見分け方と対処、カクつきがシェーダー由来っぽいときはシェーダースタッターの原因切り分けと対処を併読してください。
計測はタスクマネージャで十分? それとも専用ツール?
切り分けの精度は計測ツールで決まります。タスクマネージャは手軽ですが、使用率の見え方に乖離が出る場面があり、信頼の基点(source of truth)には向きません。具体的には、演算(コンピュート)寄りの負荷ではタスクマネージャが負荷をメモリバスのピーク帯域比で測るため、GPUが低性能状態でも高い使用率%を表示することがあります。またVRAMについては、タスクマネージャはアプリが要求した割り当てを、GPU-Zは実際にコミットされたメモリ/ドライバ管理を表示しており、測っている対象が違います。ゲームのGPU使用率%が常に間違いというわけではなく、演算負荷・VRAM・低電力状態の見え方で差が出る、と限定して理解するのが正確です。
用途別のおすすめ計測ツールは次の通りです。
| ツール | 得意な計測 | 用途 |
|---|---|---|
| HWiNFO64 | 個別コア負荷・温度・クロック・電力(詳細センサ) | 総合診断・電源/サーマル確認(最も信頼される) |
| GPU-Z | 実コミットVRAM・GPUの実負荷 | VRAM不足・GPU実使用率の確認 |
| MSI Afterburner | オーバーレイ計測・クロック監視 | プレイ中のリアルタイム監視 |
| CapFrameX | 生フレームタイム・1% low / 0.1% low | スタッター/ヒッチの事後精密分析 |
| タスクマネージャ | 全体/個別コアCPU%(手軽) | 一次切り分け(個別コア表示は有用) |
出典: windowsnews.ai / makeuseof / mypcbottleneck HWiNFO64 Guide / Valhalla Performance PC / wccftech / CapFrameX。
平均fpsは高いのにカクつくのは気のせい?
気のせいではありません。平均fpsが高くても、フレームタイムの揺れがカクつきの正体です。フレームタイムは各フレームの描画所要をミリ秒で測った値で、8ms前後のフレームの中に33msのフレームが1枚混じるだけで、スタッターとして即座に体感されます。平均fpsはこの落ち込みを均してしまうため、滑らかさの指標としては不十分です。
ここで効くのが1% low fps(最悪1%のフレームの平均fps)と0.1% low fps(最悪0.1%)です。平均fpsが高くても1% low / 0.1% lowが大きく落ち込んでいれば、落ち込みの頻度と深刻度が露呈します。オーバーレイのfpsカウンタはこのヒッチを隠しがちなので、CapFrameXのように生フレームタイムを記録するツールで事後分析すると、どのタイミングで何msのスパイクが出たかまで見えます。診断ツリーで「使用率は問題ないのに体感が悪い」終端に来たら、まずフレームタイムと1% lowを確認してください(出典: digitalcitizen / wccftech / CapFrameX)。
よくある質問
Q. GPU使用率が99%なのにfpsが低いのは故障ですか? A. 故障ではなく、GPUを使い切っているGPU律速の状態です。健全な状態なので、fpsを上げたいなら解像度や画質を下げる、アップスケーリングを使う、または上位GPUへ、という方向で伸ばします。
Q. 全体のCPU使用率は50%程度なのにカクつきます。CPUは関係ない? A. 関係している可能性が高いです。全体50%でも1コアだけ90-100%に張り付いていると単一スレッド律速になります。タスクマネージャのCPUグラフを右クリックして論理プロセッサ表示に切り替え、個別コアの張り付きを確認してください。
Q. 設定を下げてもfpsが変わらないのはどういう意味? A. CPU/プロセッサ律速の典型サインです。Ultra→Mediumでfpsがほとんど動かないなら、CPUが供給できる上限で頭打ちになっています。逆に解像度を下げて大きく伸びるならGPUが制約だったと判断できます。
出典・公式リンク
- Valhalla Performance PC(CPU/GPUボトルネックの見極め)
- bottleneckcheck.com / bottleneckcalculator.us.com(ボトルネック判定基礎)
- easygamersetups / techbenchpro(GPU/CPUボトルネックテスト)
- smoothfps(GPU使用率ドロップ・CPUボトルネックの要因整理)
- Tom’s Hardware Forum / build-gaming-computers(設定変更とfps変化の検証)
- windowsnews.ai / makeuseof(タスクマネージャとGPU-ZのVRAM計測差)
- mypcbottleneck HWiNFO64 Guide(個別コア計測)
- digitalcitizen(フレームタイムの読み方)
- wccftech / CapFrameX(1% low・生フレームタイム計測)
- OC3D(Assassin’s Creed Valhalla パフォーマンス検証)




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